本記事は、外資系中小製造業の採用現場を22年の経験から解説します。
特定の企業や採用手法を批判する目的ではなく、現場で起きがちな構造を共有するための記録です。
本記事は「外資系企業の正体」シリーズの一部です。
全体像は第1回で整理しています。
→ 外資系企業の正体(1):日本にある外資系7,000社の正体 | データで判明した「本当の年収と業種」の現実
22年間、外資系製造業で「採用する側」と「される側」の両方を見てきた私が、中小外資系企業の採用ルートとその損得勘定を赤裸々に解説します。
海外企業のような大企業と違い、中小外資では採用の「選択と戦略」がよりシビアです。失敗は現場の負担となり、成功はチーム力に直結します。
1. 転職エージェント:高額な「包装商品」に注意
最も一般的な採用ルートですが、心理戦は激しいです。
- 「包装」によるミスマッチ
エージェントは候補者を「商品」として営業します。実力以上に盛られて入社し、後に現場が苦労するケースも少なくありません。 - 解雇できないジレンマ
年収の3〜4割という高額報酬を支払っているため、入社後に不適格だと分かっても簡単に判断できません。その結果、現場が疲弊する原因になります。
2. 求人サイト:低コストでも「砂金掘り」の労力
掲載料は安いものの、膨大な応募者の中から優秀な人材を見つけるには時間と労力がかかります。
- 選考コストが高い:書類審査や面接調整に膨大な時間を割く必要があります。
- 専門家の助言が必要な場合も:トラブル防止のため、採用コンサルを使うこともあり、結局コストが増大します。
結果として、中小外資では求人サイトのみでの採用は減少傾向です。
3. リファラル採用:信頼と「連帯責任」のリスク
- メリット:性格やスキルを知っているため、ミスマッチは少ない。
- デメリット:紹介者と被紹介者は常に「セット」で見られます。
- 紹介者が退職すれば被紹介者も居心地が悪くなる
- 被紹介者が不祥事を起こせば、紹介者の評価にも影響
無言のプレッシャーが生じる点には注意が必要です。
4. 直接スカウト:魅力的なオファーの「裏」を読む
競合他社や取引先の有望人材を直接狙う手法です。
- メリット:過去の実績が評価され、即戦力として期待されます。
- デメリット:採用背景が不透明
- なぜ公募ではなくスカウトなのか?
- ポジション自体に魅力がないのでは?
- コンプライアンス面でトラブルのリスクも
魅力的なオファーの裏側を見極める目が必要です。
5. 私が見てきた「人の質」と結論
22年の経験で、採用ルートによる「人の質」の差は大きくありませんでした。
しかし重要なのは、「自分がどのように入社したか」というスタート地点です。
特定の人間関係に依存したり、無理に包装されたりすると、入社後の立ち位置やキャリアに影響します。
私のおすすめは:
- 公正度の高い転職エージェント
- 実力で挑戦できる転職サイト
これにより、入社後の自分の立ち位置を最もクリーンで強いものにできるのです。
玄水
【シリーズ:外資系企業の正体】
・外資系企業の正体(1):日本にある外資系7,000社の正体
・外資系企業の正体(2):2026年、あえて「外資」という穴場を狙う
・外資系企業の正体(3):会社規模で変わる「生存のルール」
・外資系企業の正体(4):LinkedInは「履歴書」ではない。外資戦士が10年使い倒すための4つの戦略
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