嵐の中に立つあなたへ:22年の外資サバイバルを支えた「老子」の教え

本記事は、外資系中小企業で海外営業を続けるビジネスパーソン向けに、困難な状況で心を支える「老子の教え」を紹介します。軍事クーデターやコロナ禍など極限状況での実体験をもとに、嵐のような困難を乗り越える心構えと行動戦略を解説。海外出張やトラブルに直面する営業マン必読の生存戦略です。


仕事は、うまくいかないことの連続です。
特に私が身を置く中小の外資系製造業は、組織がコンパクトである分、いざという時のサポートは驚くほど手薄です。

本社や海外拠点との時差、言語の壁、そして現場の孤独。
一人で東南アジアの拠点を背負って戦う中、予期せぬトラブルに襲われるたび、私は自分にこう言い聞かせてきました。


目次

「私が最後の砦である」という覚悟

トラブルの渦中、私は二つの相反する感情で自分を鼓舞します。

一つは、
「私ほどの経験者が対処してダメなら、この会社としてはもう仕方ないだろう」
という、一種の開き直りに似た余裕。

そしてもう一つは、
「いや、私が最後の砦だ。何としてもここで食い止める」
という、プロとしての矜持です。

しかし、自分の努力だけではどうにもならない
**「巨大な嵐」**が、人生には確かに存在します。


2014年:軍事クーデターの渦中で

2014年、ある東南アジアの国への出張中に、私は軍事クーデターに遭遇しました。

街には夜間外出禁止令が出され、夜10時以降の外出は禁止。
現地代理店と連携し、事前に安全なルートを調べ上げ、許可されたわずかな時間を使って顧客訪問をこなす日々。

「事態はどこまで深刻化するのか」
「果たして日本に無事帰れるのか」

底知れぬ不安の中にいた私を支えたのが、老子のこの言葉でした。

「飄風(ひょうふう)は朝を終えず、驟雨(しゅうう)は日を終えず」

激しい突風(飄風)は一朝は続かない。
激しい豪雨(驟雨)も一日中降り続くことはない。

天地の激しい現象でさえ長くは続かないのだから、
人間界の困難だって、いつまでも続くはずがない。


2020年:人影の消えた空港で

この言葉の真実を、私はコロナ禍で再び噛み締めることになります。

世界が止まった2020年以降も、私は必要に迫られ、何度も海外出張を繰り返しました。

人影が消えた空港ロビー。
乗客が数えるほどしかいない機内。

日本、韓国、フランス──
各国で指定病院を回り、何度もPCR検査を受けました。

当時は、
「もし海外で陽性になれば、治るまで日本への入国は禁止」
という極限の状況。

異国の地で、もし今感染したらどうなるのか。
その重圧に押し潰されそうになるたび、私は心の中で、

「飄風は朝を終えず……」

と暗唱し、静かに時が過ぎるのを待ちました。


嵐は必ず過ぎ去る

私は22年のキャリアの中で、この言葉が真理であることを身をもって知りました。

  • 2011年:震災後の被災地における顧客復旧支援
  • 2014年:出張先の国での軍事クーデター
  • 2020年:コロナ禍の孤独な海外出張

個人の力では抗いようのない混乱の中、
私はただこの教えを信じ、目の前の困難をやり過ごしてきました。

これまで生き残ってこられたのは、お客様の支援や幸運もあったでしょう。
しかし最も重要だったのは、

「どんな嵐も、いつかは止む」
と信じて、やるべきことを淡々と続けたことです。


嵐の中に立つあなたへ

もし今、あなたが仕事の困難で押し潰されそうになっているなら、
この言葉を思い出してください。

どんなに激しい雨も、永遠に降り続くことはありません。

あなたが「最後の砦」として、そこに立ち続けてさえいれば、
必ず雨は上がり、次の一手が見えてくるはずです。

雨が上がったとき、あなたの前には新しい道が広がっているでしょう。

もし、その道を自力で探すのが難しいと感じるなら、
外の世界に「確かな目」を持つパートナーを置いておくのも、一つの知恵です。


静かな備えという選択肢

リクルートエージェントで、次の戦場を静かに探しておく

自分の市場価値を客観的に知ることは、
嵐の中で自分を保つための**「静かな抑止力」**になります。


玄水


飄風は朝を終えず、驟雨は日を終えず
¥1,353 (2025/12/31 21:15時点 | Amazon調べ)


コメント

コメントする

目次