本記事では、キャリア初期に陥りがちな「積み上げ型の仕事」から、老子に学ぶ「引き算の哲学」への転換を解説します。資格やスキル、人脈を増やすだけでは本質に迫れない現実を踏まえ、余計なものを削ぎ落とすことで本質的な仕事力を高める方法を紹介。AI時代や変化の激しいビジネス環境でも応用可能な、古典に基づく思考法・仕事術を学べます。
キャリア初期、私はスキル、資格、人脈、そして最新のトレンド……何でも積み上げる「日益(じつえき)」の仕事に没頭していました。自己啓発本を読み漁り、セミナーに参加し、できる限りの努力を積み重ねる日々です。
しかし、三ヶ国語を駆使して外資系企業で20年戦った結果、知識を増やすほど本質が見えにくくなる矛盾に気づきました。
- 資格勉強に熱中するあまり本業がおろそかになる
- 異業種交流会で人脈を増やす一方、社内の信頼関係を軽視する
こうした本末転倒な過ちを経験し、現代ビジネスに必要なのは「無限に増やす学」ではなく、**余計なものを削ぎ落とす『道(タオ)の視点』**であると確信しました。
1. 老子に学ぶ「日に損ず」の哲学
老子は次の言葉を残しています。
「学を為せば日に益し、道を為せば日に損ず。之を損じ又た損じ、以て無為に至る」
意味はこうです。
- 知識を学ぶと日ごとに増える
- 道を求めれば日ごとに余計なものが削ぎ落とされる
- 削って削って残ったものが「無為の境地」、すなわち本質である
仕事に置き換えると、枝葉末節のテクニックや表面的なマナーを捨て、本質に集中することに他なりません。
- 多くの資格より本業のスキル
- 広大な人脈より社内の信頼関係
これこそが、本質的な「仕事力」の源泉です。
2. 「引き算の哲学」がAI時代に効く理由
経験を積むほど、仕事は自然とシンプルになります。表面的なスキルに頼らずとも成果が出せるのは、本質という根っこを掴んでいるからです。
古典は数千年の歴史の淘汰に耐え、現代に残った「普遍の本質」を私たちに伝えてくれます。
特に、これからの AI時代や変化の激しいビジネス環境において、最新ビジネス書やテクニックでは通用しない場面が増えます。
そんなとき、古典に記された知恵こそが、環境の変化に順応するための強力な指針となるのです。
3. 仕事を極めるとは「足す」ではなく「削ぐ」こと
- 自分を大きく見せるための装飾を捨てる
- 不要な情報や習慣を削ぎ落とす
- 残ったものに集中し、淀みなく仕事をこなす
このプロセスが、キャリアにおける最大の効率と成果を生みます。情報の荒波に飲まれそうなとき、最後に残った一冊の古典があなたのビジネス人生を支える杖になるでしょう。
玄水
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