なぜ日本型サラリーマンは“消耗戦”を強いられるのか(07)|「会議」が仕事を奪っていく構造

日本で働いていると、多くの人が同じ感覚に行き着きます。
努力しているのに、なぜか楽にならない。
真面目にやるほど、なぜか消耗していく。

それは能力不足でも、根性の問題でもありません。
日本型の組織と働き方そのものが、**人を「消耗させながら維持される構造」**になっているからです。

このシリーズでは、
日本型サラリーマンが無自覚に巻き込まれやすい「消耗戦」の正体を、
感情論や精神論ではなく、思考と構造の視点から解剖していきます。

ここに書かれているのは、
頑張れば報われる話でも、前向きになれる処方箋でもありません。
この構造の中で、あなたはどこに立ち続けるのか。
その問いから、逃げないための連載です。

「とりあえず会議で決めましょう」

この一言が、日本のサラリーマンを
終わりのない残業と疲弊のループへと引きずり込みます。

会議は本来、
意思決定を加速させ、仕事を前に進めるための手段であるはずです。

しかし多くの日本型組織では、
会議そのものが仕事を止め、奪い、消耗させる装置へと変質しています。

なぜ、あなたの仕事は会議のせいで進まないのか。
それは能力や姿勢の問題ではありません。
会議の設計そのものが、機能不全を起こしているのです。


目次

「思いつき」で開催される会議の高すぎるコスト

日本の職場で頻発するのが、
リーダーの**「思いつき」**による会議招集です。

  • アジェンダが曖昧
  • 目的が共有されていない
  • 事前準備がない

突然呼び出された参加者は、
考えを整理する時間もなく着席し、
そのまま時間だけが消費されていきます。

そして多くの場合、結末はこうです。

「今日は結論を出せないので、次回また」

一方、外資系企業の会議には、
徹底した**「型」**があります。

  • 開始・終了時間の厳守
  • 議題ごとの持ち時間を明示
  • 決定事項と担当者を事前に設定
  • 資料は事前共有、読み上げは禁止

議論は「理解」ではなく、判断から始まります。

ここまで厳密なのは、
会議を極めて高コストな投資と捉えているからです。

参加者全員の人件費。
その時間、止まっている実務。

それだけのコストを払ってでも開催する価値があるのか。
この問いが、常に前提に置かれています。


「責任分散」のために人を集める日本型会議

日本の会議が無駄に大人数になる理由は、ほぼ一つです。

責任を分散するため。

  • 「あの部署も出席していた」
  • 「全員で合意した」

こうした免罪符を作るために、
直接関係のない人まで招集されます。

その結果、

  • 発言者は減り
  • 議論は拡散し
  • 意思決定は遅れる

という、最悪の循環が生まれます。

外資系では原則、
意思決定に必要なコアメンバーのみが招集されます。

参加するか迷う場合は「Optional(任意)」扱い。
不要と判断すれば、断ることも珍しくありません。

会議に出ることが仕事ではない。
成果を出すことが仕事だからです。


日本特有の儀式:「根回し」と「追認」

日本型組織を象徴するのが、
会議前にすべてが決まっている「根回し文化」です。

事前に関係者の同意を取り付け、
本番の会議は単なる公式な追認の場になる。

本来、議論のためにあるはずの会議が、
既定路線を確認するだけの儀式に堕しています。

そこでは、

  • 反対意見は出ない
  • 新しい視点も生まれない
  • 責任の所在も曖昧なまま

時間とエネルギーだけが、静かに消費されていきます。


抜け出せない「消耗ループ」の正体

無計画な会議が蔓延する組織では、
次の負の連鎖が必ず発生します。

  • 会議で日中の実務時間が消える
  • 実務が終わらず、残業で補う
  • 残業調整のため、さらに会議が増える

これは仕事ではありません。

従業員の集中力と人生の時間を削る、
構造的な消耗装置です。

生産性は上がらず、
コストだけが積み上がっていく。

このループを断ち切らない限り、
日本型組織の疲弊は止まりません。


結び:「その会議、本当に必要ですか?」

会議が多いのは、
あなたの仕事が重要だからではありません。

組織が、
決める勇気と責任を放棄しているからです。

「その会議、本当に必要ですか?」

この問いを持つことが、
日本型サラリーマンが消耗から距離を取るための、
最初の防衛線になります。


次回予告

次回は、
評価制度が「成果」ではなく
「耐久力」を競わせる構造について掘り下げます。

なぜ、長く苦しんだ人ほど評価され、
効率よく成果を出した人ほど報われにくいのか。

引き続き、構造の視点から解き明かしていきます。


玄水


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