ホルムズ海峡の実質的な封鎖という、最悪のシナリオが現実となった2026年3月3日。連日の報道と、スマートフォンの画面を真っ赤に染める株価暴落のアラートに、心中穏やかでない方も多いはずです。特に私たち50代にとって、リタイアまでのカウントダウンが始まる中で資産が急減する光景は、精神的な「消耗戦」そのものでしょう。
しかし、こうした極限状態の有事においてこそ、投資家としての「品格」と「論理」が試されます。今、私たちが取るべき行動は、パニックに流されて投げ売りすることではありません。
なぜ、今こそ「金」と「インデックス」を握りしめるべきなのか。私自身のポートフォリオの運用実感も交え、論理的な生存戦略を共有します。
1. 「金」がポートフォリオの防波堤になる理由
「有事の金」という言葉は、決して古臭い格言ではありません。通貨や株式が「発行体の信用」に依存する資産であるのに対し、金はそれ自体に価値がある「無国籍資産」です。
私自身、以前から金の投資信託をポートフォリオに組み込み、積立を継続してきました。 実際にこの数日間、株式市場がパニックに陥る中で、私の資産を下支えしてくれているのは間違いなく「金」の存在です。
インデックス(株式)が大きく下押しする局面で、金が逆行高する、あるいは価格を維持することで、ポートフォリオ全体の「ボラティリティ(変動幅)」が劇的に抑えられます。この安定感は、単なる数字以上の意味を持ちます。資産が底抜けしないという「体感的な安心感」があるからこそ、他のリスク資産を狼狽売りせずに済むのです。
不安定な時代、金は単なる守りの資産ではなく、**「投資家の冷静さを維持するための精神的支柱」**として、パフォーマンス向上に大きく貢献していると確信しています。
2. インデックス投資を「今」売ってはいけない論理的根拠
市場が暴落すると、「一旦キャッシュアウトして、落ち着いてから買い直そう」という誘惑に駆られます。しかし、これは外資系ビジネスパーソンが最も避けるべき「マーケットタイミング」の罠です。
- 回復の果実を逃すリスク 過去の地政学的ショックの歴史を振り返れば、市場が底を打つのは「ニュースが最も悲惨な時」です。そして、反発は一瞬で起こります。インデックスを売却してしまうと、その後の急回復の初動を逃し、長期的なリターンを致命的に損なうことが統計的に証明されています。
- 「時間」を味方につける 私たち50代には、まだリタイアまで数年、そしてリタイア後も数十年という時間があります。今この瞬間の「点」の暴落に反応して、これまでの「線」の積立を断絶させるのは、経済的な自殺行為に等しいと言えます。
3. 50代が取るべき具体的な「有事の作戦」
では、具体的にどう動くべきか。私が実践しているのは以下の3点です。
① 「何もしない」という高度な意思決定
最も難しいのがこれです。積立設定は変えず、証券口座のアプリを見る回数を物理的に減らす。市場の騒音から距離を置き、本業の実務(サプライチェーンの再構築や顧客対応)に集中すること自体が、最大の資産防衛になります。
② リバランスの検討(のみ)
もし、金の価格が高騰しすぎてポートフォリオ内の比率が予定より大きくなっている場合は、上がった分を一部利益確定し、安くなったインデックスを買い増す「リバランス」のみを検討してください。これは「高く売って安く買う」という投資の鉄則を自動的に遂行する行為です。
③ キャッシュポジションの確保
新規の投資を無理に行う必要はありません。ホルムズ海峡封鎖によるインフレ(物価高)に備え、生活防衛資金としての現金を厚めに持っておくことで、心にさらなる余裕が生まれます。
結論:嵐の中で「静かに」構える
世界は今、大きな転換点にあります。しかし、私たちが長年かけて築いてきた資産形成のロジックが、戦争という暴力によって完全に無効化されるわけではありません。
むしろ、こうした有事こそが、堅実な「資産配分(アセットアロケーション)」の真価を発揮させる舞台です。私は自分のポートフォリオにおける「金の投資信託」のパフォーマンスを信じ、そして世界経済の復元力を信じて、このまま歩みを止めません。
皆さんも、どうか画面の中の数字に感情を奪われないでください。私たちは、もっと長いスパンで勝負をしているはずです。
玄水
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