15年前、私のスペックは現在とまるで異なっていました。
- 身長:185cm
- 体重:95kg(現在75kg)
外資系企業での激務、連日連夜の接待、そして深夜2時の帰宅後に流し込む炭酸飲料と炭水化物。当時は「ストレス」を免罪符に、自分の身体という「最も重要な資本」を容赦なく毀損し続けていたのです。
転機は、東南アジアの熱気の中で訪れました。マレーシアで出会った一人のビジネスマンが、私の人生を根本から変える「自己管理の源流」を教えてくれたのです。
1. 異国の地で出会った、一人の「規律」
マレーシア特有の猛暑の中、重要な現地顧客とのタフな会食。そこで出会った彼は、私より年上でありながら驚くほど身のこなしが軽く、その眼光には鋭い明晰さが宿っていました。
彼が実践していたのは、当時日本ではまだ珍しかった「16時間断食」です。
「身体を飢えさせるのではない。内臓を休ませ、本来の機能を取り戻す時間を意図的に確保するんだ」
現在では、2016年のノーベル生理学・医学賞受賞により「オートファジー(細胞の自食作用)」として科学的根拠が証明された健康法ですが、彼はこれを自身のビジネスパフォーマンスを最大化する手段として、すでにルーティン化していました。
帰国後、私はこの哲学を単なるダイエットではなく、自己防衛のための「生存戦略」としてシステムに組み込む決意を固めました。
2. 外資系思考で構築した「3つの鉄の規律」
1年間で20kg減量し、その後15年間、一度もリバウンドしていない理由は「根性論」ではありません。徹底した「仕組み化」と「データ管理」にあります。
①「2,000kcal」という絶対防衛ラインの設定
厚生労働省が定める成人男性の推定エネルギー必要量は約2,000〜2,700kcalですが、私は上限を意図的に「2,000kcal」に設定しました。
- 予算管理と同じ思考:一日の摂取カロリーを「予算」と捉え、限られた予算内で最大の栄養価(ROI)を得られる食材を厳選する。
- 「本当にこのカロリーを摂取する必要があるか?」という冷徹な視点で、無駄な間食や糖質を排除しました。
② マレーシア流「16時間断食」の自分流アレンジ
彼の教えをベースに、自分のライフスタイルに適合させました。
- 食事の最適化:朝食に全粒粉パンやナッツなど、血糖値を急上昇させない質の高いエネルギー源を配置。
- 16時間の空腹期:固形物を一切絶ち、内臓を完全に休ませる。
- 運動の組み込み:空いた時間に30分の「快歩(早歩き)」を実施。空腹時の有酸素運動は脂肪燃焼効率が高く、脳の活性化にも直結します。
③「計測」による自己フィードバックの徹底
KPI(重要業績評価指標)の測定なしに、プロジェクトの成功はありません。身体の管理も同じです。
- 毎日同じ時間に体重計に乗り、数値を記録する。
- 微細な増減を見逃さず、翌日のカロリー予算や運動量で即座に修正(フィードバック)をかける。
3. 禁酒がもたらした「静寂」と決断力
この減量システムを盤石なものにしたのが、同時期に決断した「完全禁酒」です。
(※禁酒の戦略的意義については、別の記事『禁酒から学ぶ「NO」の哲学』で詳述しています)
飲酒というノイズを排除したことで、減量効果は劇的に加速しました。
| 禁酒による相乗効果 | ビジネスへの波及効果 |
| 深夜の暴食リスクの完全排除 | 睡眠の質の向上と、翌朝の圧倒的な疲労回復 |
| 血糖値スパイクの回避 | 日中を通じた高い集中力の維持 |
| 脳のクリアな状態の確保 | 東南アジアでのタフな交渉でも、瞬時に最適解を導く決断力 |
4. 20kg減量がくれた「真の自由」
システム稼働から1年後、体重が75kgに到達した瞬間、視界が開けました。
身体が物理的に軽くなっただけでなく、思考のノイズが消え、外資系企業での厳しい交渉の場でも、以前とは比較にならないほど冷静かつ力強く振る舞えるようになったのです。
現在も体重は75kg(±1kgの誤差範囲)を維持しています。
減量と維持はすでに歯磨きレベルの「ルーティン」へと昇華しており、私の「静かな生存戦略」を支えるインフラとなっています。
まとめ:身体の管理は、人生の管理である
20kgの減量と15年の維持から得た教訓は、ビジネスにおけるマネジメントや、投資、古典学習の教えとも完全にリンクしています。
- 過剰を排す:必要以上のエネルギー(カロリー、無駄な情報、不要な人間関係)を人生に入れない。
- 規律を愛す:自ら定めたルール(2000kcal、16時間断食)を冷徹に守り抜く。
- 現実を見る:毎日の計測と修正で、微細な変化を見逃さない。
自己の身体を管理できない人間に、複雑なビジネスや人生の荒波をコントロールすることはできません。身体の自己管理こそが、人生全体の自己管理の起点となります。
⚠️ 注意事項
本記事は、筆者自身の検証と実体験に基づく記録です。
16時間断食やカロリー制限は、個人の体質や年齢によって適正が異なります。極端な食事制限は健康リスクを伴うため、実践される場合は必ず専門医や医療機関にご相談ください。
玄水
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